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2010/09/07

私達

私達

何にもならないものばかり

二人の間に増えたとしても

この波打ち際

足元の砂をさらわれながら

歩いて行く

駈けて行く

泣いていたようで

笑っていたようで

どちらだったか忘れるほど

息を弾ませ

鼓動は高鳴り

何度でも

よーいはじめ

子供の戯れみたい

理由は求めない

不器用な足元

それがすべて

向こうまで

まずは向こうまで

あの先見えたら

また向こうまで

離れては

近づいて

潮の満ち引き

月の満ち欠け

どう見えていようと

出会えた事に変わりない

あなたがいる事

私がいる事

何にもならないものばかり

気が遠くなるほど

許しあって

分け合って

生きて
生きて

もっと増えて

何にもならないねと

心から笑って

涙乾いて

疑わず

安心しきって

手にとるように老いて

辿るように動けなくなって

さらわれる砂みたいに

かえっていく

私達

かけがえのない人

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