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2011/05/12

美醜を超えたところ

とある方のブログを読んで、
コメントのやり取りをしていたら、
急に「美醜を超えたもの」とゆう言葉を思い出し、
ある方と出来事を思い出しました。

以前勤めていた施設の夜勤中
ひとりの利用者さんが自室から私を叫びます
「かんごふさーーーん!かんごふさーーーん!」

高齢で認知症の方は、白衣着ていたら、
看護師も介護士も区別つきません

私はまた、転倒したのかなと慌てて駆けつけます。

電気の消えた白いベットの上に
髪はほとんどなく
わずかな残り毛が無造作に伸びて
寝ぐせのついたまま
シワシワの皮膚に
歯がない口元
小さくチョコンと正座して
私を待っていました。

「どうしました?」
耳元で大きく、ゆっくりと聞きました

「あのな~っ、お月さまが綺麗ったい!あんたに見せてやりたかった」と
窓の外を指さします

大きなまんまるのお月さまがありました

「ほんと、きれいね・・・ありがとう!」
そう伝えると満面の笑顔を返してくれました

電気の消えた部屋に
白いベットの上
チョコンと小さく座って
老婆が満月を見上げてました
月の光が青白く
すべてを包んでいて

私は・・・なんて美しい・・・としばらくその場を離れられなかった

翌日みんなに話しても
またまた~・・・どう考えても美しい~にはならんよ~
夜勤で、思考回路がおかしくなっとったんやない?
とからかわれました

でも、あるんです
死期の近い方の介助をしていると・・・

言葉も発っせられなくて
動く事もできない
目線だけが私を追っている

温かな日差しに中で
童謡を歌いながら
爪を切ってあげてると
白い白い細い細い手が
この日差しの中に透き通るようで。。

無言で涙を流される
その涙を拭うとき
すべてがこの柔らかな日差しに包まれて
消えゆくような
そんな美しさを感じることが・・・

人はどんなに着飾っても
サプリメントをとっても
老い
病気になるし
死に至ります

美を求めたり
健康に気をつける事は
とても大切なことだけど

醜を避けて
美ばかりを追いかけるのは
自然の営みではなく
失うことばかりに心がとらわれ
焦り、
いつか失望してしまうかもしれません

美醜を超えたところ

心安らげるところ

私辿りつけるかな
まだまだ欲深いな

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コメント

ありがとうございます。m(__)m

投稿: 千里 | 2011/05/24 19:23

とっても素敵な内容ですね。。

投稿: | 2011/05/24 16:52

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