特別展『草原の王朝 契丹 - 美しき3人のプリンセス -』
九州国立博物館に行ってまいりました。
特別展『草原の王朝 契丹 - 美しき3人のプリンセス -』
契丹という広大な国で遊牧をなりわいとしたその文化。
女性を大事にした高い文化。
その頃、日本は平安時代頃になります。
三人のプリンセスに焦点を当てていましたが、
この時代、遊牧民として、草原をかけぬけるように生き抜いた、
三人の女性達の生きた証ともいえるような今回の展示。
私が一番心をとらえて離さなかったのは、
陳国公主・・・18歳の若さで亡くなったとの事ですが、
ご主人と一緒のお墓の写真
ぴったりと横に並んで、手を繋いでいるようにも見えました。
その写真をいつまでも眺めていました。
今になっては、このお二人の過程や心中ははかりしれないけれど、
一緒くらいに亡くなられたのか、18歳でプリンセスが先か、はたまたご主人が先かは、
わからないのだけども、埋葬を一緒にしたその事実は、思いや願いを感じました。
http://www.kittan.jp/fukuoka/princess/
死者の手には琥珀握とゆう、手の中におさまるくらいの琥珀の飾りを握らせ、
再生の願いを込めるのだそうです。
私はこれを読んだ時、赤ちゃんは幸せを握って生まれてくる・・・
と以前聞いた事を思い出しました。
遊牧民族で過酷な自然との共存、病気やけが、紛争、明日をも知れない命。
だからこそ、人と固く結びつき、相手の命を大切にし、生きる糧としていたのかもしれない。
現世の絆も必ずや来世でも、とゆう願いでしょうか。
ずっとずっと一緒にいたい。また巡り合いたい。離れたくない。
陳国公主の顔横から出土したとのことです。草原の風に揺れてどんな銀の音がしていたのでしょうか。
埋葬時には、マスクをつける習慣があったそうで・・・・黄金のマスク
装飾には、美しさはもちろん、すべて、祈りと願いが込められていたのでしょう。
科学技術が発達し、この頃よりも安定した生活をしている現在の私達。
人間関係が気薄になったと言われる現代。
気薄になったのではなく、安定しすぎて感じる機会が、自覚する、表現する事が、
少なくなっているだけかもしれません。
ずっとずっと一緒にいたい。また巡り合いたい。離れたくない。幸せになりたい。
時代や国が違っても、幸せを願う事、誰かを真剣に愛する事は、
人の永遠のテーマですね。
※ 写真の使用は「九州国立博物館」から提供をうけました。
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コメント
一元さま、コメントありがとうございます。九博のブログ等、楽しく読ませて頂いてます。
時代や地域を超えた繋がり。。。人の営みはシンプルで素敵ですね。
改めてそう思いました。
投稿: 千里 | 2011/11/05 21:44
このたびのご来場まことに有難うございます。
契丹展を担当しました九州国立博物館の市元です。
いまの日本と契丹とでは、気候やら環境やら、何もかもが大きく異なるはずなのですが、
展示品をみていると、今の私たちの生活を考えるうえでの、さまざまな示唆をあたえてくれるから不思議です。
時代や地域を超えたつながりを見出すことも、
本展の楽しみ方のひとつかもしれませんね。
投稿: 九博市元 | 2011/11/05 21:18