恋文
利用者さんの息子さんが事務所を訪れた。
「いや~、参りましたよ。オヤジが恋文を書いたから渡してくれって言い出して・・」
こうゆう話には、スタッフ一同感心が尋常ではない
「どちらのおばあさまに?デイサービスでご一緒の方とか?」
「いやいや・・ヘルパーさんなんですよ」
さあ、スタッフ一同にわかに活気だちます。
「えっ?誰?」
よくよく話を聞くと、最近ヘルパーとして頑張ってくれてる、
30代前半の独身女性でした。
確かに、彼女の時は、他のヘルパーの時と違う報告が上がってくる。
ヘルパーに頼らず、自分で頑張って出来る事が多いような気がする。
男のプライドだろうか、好きな人の前ではカッコよくありたい。
うん、素敵な男のプライド。ささやかな恋心は自立支援を促します(*^^)v
小難しい介護保険の自立支援の文言より、とてもわかりやすい。
高齢者や身障者の方の、性の問題はとても難しく、私達も困惑する事も多々あります。
でも、こいぶみ・・・の響きは、性の甘さと儚さと、とても人間らしい響きではないでしょうか。
私達はしばらく黙って様子を見る事にしました。
ここで彼女をメンバーから外すと、
その男性の人間らしい響きや色合いを失う事にもなりかねません。
もちろん、ヘルパーの彼女は知りません。今までと変わらない日常が続きます。
したためられた恋文は、息子さんから「渡せるはずないだろ~、考えろよ!!!」の言葉に、
封印された模様です。
私達の事業所には男性ヘルパーがいません。
時々話題に上るのは、男性ヘルパーがいたら、何日もお風呂に入らないおばあちゃんとか、
「私、臭くない?」と気にするようになって、保清に努められるかもね。と話しています。
いやいや、男性ヘルパーがいたら、一番元気になるのは、私達女性スタッフかもしれません。
事務所のゴミ箱の蓋に、なぜか書いてある言葉 「女を忘れずにいましょう・・・」
誰が書いたん???? 少ない男性、事務長かしら・・・。(笑)
私の大好きな吉野弘さんの詩を思い出します
私が言葉に魅了されたのは、小学生の頃、
この方の詩を読んでからです。
私の永遠の片思い 吉野弘さんの詩
身も心も
身体は
心と一緒なので
心のゆくところについてゆく。
心が愛する人にゆくとき
身体も 愛する人にゆく。
身も心も。
清い心にはげまされ
身体が
初めての愛のしぐさに
みちびかれたとき
心が
すべをもはや知らないのを
身体は驚きをもってみた。
おずおずとした
ためらいを脱ぎ
身体が強く強くなるのを
心は仰いだ
しもべのように。
強い身体が
心をはげまし
愛のしぐさをくりかえすとき
心がおくれ
ためらうのを
身体は驚きをもってみた。
心は
身体と一緒なので
身体のゆくところについてゆく。
身体が
愛する人にゆくとき
心も 愛する人にゆく。
身も心も?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント