文化・芸術

2012/08/19

特別展『美のワンダーランド 十五人の京絵師』

特別展『美のワンダーランド 十五人の京絵師』へ行ってきました。

前半と後半期間があり、内容はほとんど入れ替わるとのことで、
私は後半期間に行った事になります。
前半のも見たかったです。

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国宝 楼閣山水図屏風(ろうかくさんすいずびょうぶ)
池大雅(いけのたいが) 筆

これは前半の展示で、国宝を見逃しました。


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これは与謝蕪村の作品です。与謝蕪村が絵も描いていた事を初めて知りました。


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雲龍図屏風(うんりゅうずびょうぶ)
円山応挙(まるやまおうきょ) 筆

これも前半展示なので、実物は見てないのですが、
今回、この方の絵が好きになりました。


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円山応挙の後半展示の絵・・・見ていて、屏風から鹿が飛び出てきそうな感じでした。
鹿から、ジッーーーと見られている感じ。

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この目線と、細かなタッチは魅力です。


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仙人掌群鶏図 (さぼてんぐんけいず)

そして、私が大好きな伊藤若冲。でもこれも前半展示で、実物は見れませんでした。

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若冲といえば、鶏の絵ですね


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群鶏図障壁画 … 伊藤若冲

私が見たのはこちら。墨のみで描かれたもの。


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墨だけの一色ですが、濃淡だけで迫力を感じました。さすが若冲です。

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石燈篭図屏風 … 伊藤若冲

若冲といえば鶏、という先入観があったので、この絵はとても新鮮でした。
しかも、橋と燈篭だけですが、点描です。
近くて見ると、細かな点描が見えて、それも凄さを感じるのですが、
これを少し離れて全面を見た時、なんだか夕焼けの風景の中にいるような気持ちになりました。

若冲が、一つ一つの点の筆を置くたびに、何を思いながら置いたのでしょう。
私達が夕焼けの風景を見る時に思うことと同じかもしれないな・・・とそんなことを感じながら、
しばらく見とれてしまいました。
この絵の前から、離れたくない気持ちになりました。

今回の特別展『美のワンダーランド 十五人の京絵師』後半展示の、
私のお勧めはこの絵です。

※写真の使用は「九州国立博物館」から 提供をうけました。









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2011/11/03

特別展『草原の王朝 契丹 - 美しき3人のプリンセス -』

 九州国立博物館に行ってまいりました。

 特別展『草原の王朝 契丹 - 美しき3人のプリンセス -』

 http://www.kittan.jp/fukuoka/

 契丹という広大な国で遊牧をなりわいとしたその文化。
 女性を大事にした高い文化。
 その頃、日本は平安時代頃になります。

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 三人のプリンセスに焦点を当てていましたが、
 この時代、遊牧民として、草原をかけぬけるように生き抜いた、
 三人の女性達の生きた証ともいえるような今回の展示。

 私が一番心をとらえて離さなかったのは、
  陳国公主・・・18歳の若さで亡くなったとの事ですが、
 ご主人と一緒のお墓の写真

 ぴったりと横に並んで、手を繋いでいるようにも見えました。
 その写真をいつまでも眺めていました。
 今になっては、このお二人の過程や心中ははかりしれないけれど、
 一緒くらいに亡くなられたのか、18歳でプリンセスが先か、はたまたご主人が先かは、
 わからないのだけども、埋葬を一緒にしたその事実は、思いや願いを感じました。

  http://www.kittan.jp/fukuoka/princess/

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 死者の手には琥珀握とゆう、手の中におさまるくらいの琥珀の飾りを握らせ、
 再生の願いを込めるのだそうです。

 私はこれを読んだ時、赤ちゃんは幸せを握って生まれてくる・・・
 と以前聞いた事を思い出しました。


 遊牧民族で過酷な自然との共存、病気やけが、紛争、明日をも知れない命。
 だからこそ、人と固く結びつき、相手の命を大切にし、生きる糧としていたのかもしれない。
 現世の絆も必ずや来世でも、とゆう願いでしょうか。

 ずっとずっと一緒にいたい。また巡り合いたい。離れたくない。


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 陳国公主の顔横から出土したとのことです。草原の風に揺れてどんな銀の音がしていたのでしょうか。

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 埋葬時には、マスクをつける習慣があったそうで・・・・黄金のマスク

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 装飾には、美しさはもちろん、すべて、祈りと願いが込められていたのでしょう。

 科学技術が発達し、この頃よりも安定した生活をしている現在の私達。
 人間関係が気薄になったと言われる現代。
 
 気薄になったのではなく、安定しすぎて感じる機会が、自覚する、表現する事が、
 少なくなっているだけかもしれません。

 ずっとずっと一緒にいたい。また巡り合いたい。離れたくない。幸せになりたい。


 時代や国が違っても、幸せを願う事、誰かを真剣に愛する事は、
 人の永遠のテーマですね。


 ※ 写真の使用は「九州国立博物館」から提供をうけました。


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